世界のニュースから

【英語でニュース解説 #3】アメリカ大統領選挙のしくみ

11月に行われるアメリカ大統領選挙。民主党で現職のバイデン氏と、共和党の前大統領トランプ氏が再び対決します。アメリカ大統領選挙のしくみを、英語で解説します。

選挙人団

The U.S. presidential election is determined by the Electoral College, a body of electors chosen from each state. There are 538 electors in total, corresponding to the number of members in Congress (435 Representatives, 100 Senators) plus three electors from Washington D.C. Each state has a number of electors equal to its total number of Representatives and Senators. To win the presidency, a candidate must secure a majority of electoral votes, at least 270.

アメリカ大統領選挙は選挙人団によって決定されます。選挙人団は各州から選ばれる選挙人で構成され、合計538人です。これは、議会の議員数(下院435人、上院100人)にワシントンD.C.からの3人の選挙人を加えた数です。各州には下院議員と上院議員の総数に等しい選挙人の数が割り当てられています。大統領になるためには、候補者は少なくとも270の選挙人票を獲得しなければなりません。

勝者総取りの州と比例配分の州

While citizens vote in a general election, they are technically voting for a slate of electors pledged to their candidate. These electors then vote for the president and vice president. Most states use a winner-takes-all system, where the candidate with the most popular votes in the state wins all its electoral votes. Only Maine and Nebraska use a proportional allocation system, which can split their electoral votes between candidates.

市民は一般選挙で投票しますが、実際には候補者に誓約した選挙人のグループに投票しています。これらの選挙人が大統領と副大統領に投票します。ほとんどの州は勝者総取り方式を採用しており、州で最も多くの一般投票を得た候補者がその州のすべての選挙人票を獲得します。メイン州とネブラスカ州のみが比例配分方式を採用しており、選挙人票を候補者間で分割することがあります。

激戦州

Swing states, or battleground states, are crucial in U.S. presidential elections. These states do not have a consistent pattern of voting for a single party and can swing either way. Candidates focus heavily on these states, as winning them can be decisive in securing the necessary 270 electoral votes. States like Florida, Pennsylvania, and Ohio are often considered key swing states.

スウィングステート、または激戦州は、アメリカ大統領選挙で非常に重要です。これらの州は一貫して特定の政党に投票する傾向がなく、どちらに転ぶか分かりません。候補者はこれらの州に重点を置き、勝利するために必要な270の選挙人票を確保するために努力します。フロリダ州、ペンシルベニア州、オハイオ州などが重要なスウィングステートと見なされています。

選挙日程

The election process begins with primaries and caucuses, where parties select their nominees. This is followed by national party conventions, where the nominees are officially nominated. The general election is held on the first Tuesday after the first Monday in November. Electors meet in December to cast their votes, and the results are certified by Congress in January. The president is inaugurated on January 20.

選挙プロセスは、各政党が候補者を選出する予備選挙と党員集会から始まります。続いて、全国党大会で候補者が正式に指名されます。一般選挙は11月の第1月曜日の翌日の火曜日に行われます。選挙人は12月に集まり投票し、結果は1月に議会で承認されます。大統領は1月20日に就任します。

【英語でニュース解説 #2】イスラエルとハマスの衝突、きっかけは?

ハマスとはどんな組織?

Hamas is an Islamist political and militant organization founded in 1987 in Palestine, emerging from the Palestinian branch of the Muslim Brotherhood. The organization operates both politically and militarily, with its military wing known as the Izz ad-Din al-Qassam Brigades conducting attacks against Israel, and its political wing engaging in governance, particularly in Gaza. The overarching goal of Hamas is the liberation of Palestinian territories from Israeli control and the establishment of an Islamic state based on its interpretation of Islamic values.

ハマスは、1987年にパレスチナで設立されたイスラム主義組織で、政治的および軍事的な両面を持っており、ムスリム同胞団のパレスチナ支部から派生したものです。政治的にも軍事的にも活動しており、軍事部門「イズッディン・アル・カッサム旅団」はイスラエルに対する攻撃を行い、政治部門は特にガザでの統治活動に従事しています。組織の主な目的は、イスラエルからのパレスチナ地域の解放と、パレスチナにおけるイスラム国家の樹立です。

イスラエルによる今回のガザ侵攻の発端は?

The immediate trigger for Israel’s invasion of Gaza was a large-scale attack by Hamas on October 7, during which militants killed over 1,200 people and took hostages. This event led Israel to launch Operation Swords of Iron, aimed at dismantling Hamas and securing the release of hostages.

イスラエルのガザ侵攻の直接的な引き金となったのは、10月7日にハマスによる大規模な攻撃です。この攻撃で1,200人以上が死亡し、人質も取られました。これを受け、イスラエルはハマスの解体と人質解放を目指す「鉄の剣作戦」を開始しました​。

パレスチナ側の被害

The military conflict between Israel and Hamas has led to severe casualties on both sides, with the majority occurring in the Gaza Strip. According to recent reports, over 30,000 Palestinians have been killed, including more than 10,000 children, reflecting the high civilian impact of the conflict. Additionally, the Gaza Health Ministry has reported that 70,000 people have been injured, and 10,000 are missing under rubble, indicating a humanitarian crisis of significant scale.

イスラエルとハマスの軍事衝突により、双方に甚大な被害が出ており、その多くはガザ地区で発生しています。最近の報告によると、30,000人以上のパレスチナ人が死亡しており、そのうち10,000人以上が子供で、この衝突の民間人への影響が極めて大きいことを示しています。さらに、ガザ保健省は70,000人が負傷し、10,000人ががれきの下で行方不明になっていると報告しており、大規模な人道危機が発生していることを示しています。

国際社会の対応

The United States, particularly under President Biden, has critiqued Israel’s actions as “over the top,” suggesting a reconsideration of military support. This stance points towards a conditional approach where continued military aid might hinge on Israel improving humanitarian access and reducing civilian casualties.

Moreover, regional dynamics are shifting, with many Middle Eastern countries reassessing their security frameworks in light of the war. The progress towards normalizing relations with Israel has stalled, especially as Arab public opinion solidifies against it.

アメリカ合衆国は、特にバイデン大統領がイスラエルのガザに対する反応を「行き過ぎ」と評し、軍事支援の見直しを示唆しています。これは、イスラエルによる人道的支援へのアクセス改善と民間人死傷者数の大幅な削減が条件とされています。

また、中東地域の多くの国々は、この戦争の発展により新たな地域安全保障の枠組みを模索していますが、イスラエルとの関係正常化の動きは停滞しており、特にアラブ諸国の世論がイスラエルに対して硬化しつつあると報告されています。

【英語でニュース解説 #1】日本製鉄が仕掛けるUSスチール買収

米当局の独占禁止法の調査

Nippon Steel’s attempt to acquire U.S. Steel for approximately $14.1 billion has faced numerous challenges, primarily from political and regulatory angles in the United States. The deal, which would be one of the largest foreign acquisitions of an American industrial firm, is currently under intense scrutiny by both the Justice Department and the Committee on Foreign Investment in the United States (CFIUS), with a focus on potential national security implications.

日本製鉄が約141億ドルでUSスチールを買収しようとしていますが、政治的および規制上の障壁に直面しています。この買収はアメリカ企業に対する外国企業による最大規模の買収の一つであり、現在、アメリカ司法省と外国投資委員会(CFIUS)による厳しい審査を受けています。これらの審査は、特に国家安全保障に関連する潜在的な影響に焦点を当てています。

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両次期大統領候補が反対表明

Political opposition has been notably strong. President Joe Biden and former President Donald Trump have both voiced their opposition, citing concerns over national security and the preservation of American jobs in the steel industry. Biden emphasized the importance of keeping U.S. Steel an American-owned and operated company, highlighting its iconic status and significance to national security​.

政治的な逆風も強いです。ジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ元大統領は、国家安全保障と鉄鋼業界のアメリカ人雇用保護への懸念から、この買収に反対しています。バイデン大統領は、USスチールがアメリカの象徴的な会社であり、アメリカによる所有と運営が続くべきだと強調しています 。

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「雇用は維持」

Despite these hurdles, Nippon Steel remains optimistic about the acquisition. The company has assured that the merger would not lead to layoffs or plant closures, aiming to strengthen its global competitiveness while maintaining U.S. Steel’s operational and employment frameworks in the U.S.​ However, the final decision will hinge on the outcome of the regulatory reviews and political negotiations currently underway.

それでも、日本製鉄は買収について楽観的な見解を示しています。同社は、合併が解雇や工場閉鎖を引き起こすことはないと保証しており、グローバルな競争力を強化する一方で、USスチールの経営と雇用は米国内で維持することを目指しています。

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2023年流行した英語Word of the Year―米Merriam-Webster編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

11月27日には米Merriam-Websterが「Word of the Year」を発表しました。

Merriam-Webstarが選出した今年最も注目された言葉は、「本物の」「正真正銘の」を意味する「authentic」でした。

先日ご紹介したCambridge Dictionaryの今年の言葉と同様、この言葉が選ばれたのにはAIの台頭が背景にあります。

AIによって「リアル」と「フェイク」の境界が曖昧になり、何が本物なのかを人々が探求しようとしたこと、さらに歌手のテイラー・スウィフトが「本物の声」「本物の自己」を追求する声明で2023年に話題になったことが、authenticが検索される回数が増加した要因になっているようです。

そのほか、このような言葉が2023年の言葉としてピックアップされています。

※Merriam-Webstar選出の「implode」はRNN時事英語辞典に収録済みの「implosion」に、同じく「indict」は「indictment」をリストに表示しています。

2023年流行した英語Word of the Year―英Cambridge Dictionary編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

英Collins English Dictionaryの次には、11月15日に英Cambridge Dictionaryが「Word of the Year」を発表しました。

Cambridgeが選んだ今年の言葉は「hallucinate」です。

もともとは、視覚や聴覚などの感覚が歪んで現実と異なる幻覚を経験することを意味しますが、人工知能(AI)技術の進化と普及によって、AIが事実と反する情報を生成することを指すようにもなりました。「hallucinate」が2023年の言葉として脚光を浴びたのは、人々がAIという新しい技術に対して抱く期待や懸念、そして予測不可能な未来に対する不安を表していると言えるでしょう。

Cambridgeのこの記事には、ほかにもAI関連用語が紹介されていました。以下、リストにしています。

2023年流行した英語Word of the Year―英Collins編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

2023年も各社の先頭を切って、イギリスのCollins English Dictionaryが11月1日にWord of the Yearを発表しました。

Collinsが選んだ今年の言葉は「AI」

Collinsが選んだ今年の言葉は、「AI」でした。ChatGPTのように、人間が使う言語で人間とAIが対話して、AIに文章を考えさせたり、プログラムソースコードを書かせたりなど、簡単にAIを活用できるようになりました。一方で、AIによって本物そっくりの偽画像や偽映像も作り出せるようになり、規制の必要性も議論されるようになってきています。

次点以下には、買わないほうがよい商品を紹介することを意味する「deinfluencing」や、ロンドンに登場した一定の排出ガス規制を満たしていない車が通行するのに通行料金を課す「ULEZ」、銀行が特定の顧客への銀行サービス提供を停止する「debanking」などが選ばれています。

Collinsが選定したWord of the Yearの一覧です。

※Collinsでは、形容詞”ultra-processed”として紹介されているが、RNN時事英語辞典へ登録済みの”ultra-processed food”としてリストアップしています。

2022年流行した英語Word of the Year―英Oxford English Dictionary編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

12月5日には英Oxford English Dictionaryが「Word of the Year」を発表しました。

Oxfordは、例年と異なり3つの候補の言葉から、初めてネットでの投票によって1位を決めました。

その結果、選ばれたのは“goblin mode”でした。

「自分勝手に、怠惰で、だらしなく振る舞うこと」を表すスラングで、2009年に初めてツイッター上に登場しましたが、2022年にSNS上で多く飛び交ったとのこと。ちょうど新型コロナ関連の行動規制が緩和されつつある時期に”normal life”に戻りたくないという人々の気持ちが現れた。

ちなみにgoblinはヨーロッパの伝承に登場する小さく醜い妖精のこと。

2位、3位はそれぞれ“metaverse”“#IStandWith”でした。

metaverseは日本でも最近メディアで使われるようになりましたが、自分自身のアバターをデジタル空間に存在させて、他の人のアバターとコミュニケーションを取れる、仮想現実世界のことです。

#IStandWithはSNS上で特定の人や団体への連帯を表明する際に使われるハッシュタグ。2022年にロシアがウクライナに侵攻した際に、#IStandWithUkraineを投稿する人が増加しました。

注1: metaverseは当Word of the Year発表前にRNN時事英語辞典に収録済み。

2022年流行した英語Word of the Year―米Merriam-Webster編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

11月28日には米Merriam-Websterが「Word of the Year」を発表しました。

Merriam-Websterが運営するオンライン辞書で、検索された回数が昨年比で1740%増加した”gaslighting“が選ばれました。

gaslighting“は「自分の利益のために、誰かに誤ったことを信じ込ませること」の意味。

  • gaslighting 自分の利益のために、誰かに誤ったことを信じ込ませること

もともとは1938年に発表された演劇のタイトルで、夫が自分の家の明かりに細工をしておき、意図的にだんだんと暗くしていきます。妻が「暗い」と訴えますが、夫は「暗くない」と言い、妻はとうとう自分の認識を信じられなくなってしまうというストーリーです。

フェイクニュースやディープフェイクが氾濫し何を信じたらよいのか迷う時代に関心を集めた言葉と言えます。

そのほか、下記の言葉も2022年の言葉としてピックアップされています。

注1: Merriam-Webster選出は「Omicron」だが、上記リストは当辞典収録済みデータの「Omicron variant」を表示
注2: oligarch、Omicron、Queen ConsortはWord of the Year発表前にRNN時事英語辞典に収録済み。

2022年流行した英語Word of the Year―英Cambridge Dictionary編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

英Collins English Dictionaryの次には、11月16日に英Cambridge Dictionaryが「Word of the Year」を発表しました。

オンライン版辞書のアクセス数などを元に選ばれたのは、野球のhome runを短縮した「homer」でした。

5月5日にアクセスが急増したとか。いったい何が起きたのでしょうか。

答えは、Wordleという世界中で人気のパズルゲーム。The New York TimesなどのWebサイトに掲載され、6回のチャンスを使って5文字の英単語を推測するもので、5月5日の答えが「homer」でした。アメリカでは一般的によく知られている野球用語ですが、Cambridge Dictionaryを拠点とするイギリスはじめ、アメリカ国外では馴染みのない言葉のため、検索が急増したと推測されています。

※homerはRNN時事英語辞典に2013年に収録。

2022年流行した英語Word of the Year―英Collins編

毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。

2022年は各社の先頭を切って、イギリスのCollins English Dictionaryが11月1日にWord of the Yearを発表しました。

Collinsが選んだ今年の言葉は、「permacrisis」でした。「不安定な状態や不安感が長期間に渡り継続すること」を表しています。

新型コロナウイルスやウクライナ戦争、物価上昇など、終わりの見えないネガティブな出来事が多かった2022年を象徴しています。

次点以降は、従来ウクライナの首都はロシア語読みのKiev(キエフ)と呼ばれていたものを、ウクライナ語読みのKyiv(キーウ)に変える動きや、ジョンソン首相辞任の引き金になったPartygate、日本でも聞かれるように「静かな退職」のもとになったquiet quittingなどがランクインしています。

splooting」は、腹ばいで足を伸ばして横たわっている状態をいいます。暑さのせいで犬やリスなどの動物が冷たい石などの上でこうしている様子がよく目撃されたとのこと。

継続的英語学習におすすめ英文ニュースレター3選

英語学習は毎日少しずつでも英語に触れることで力がついていきます。まさに「継続は力なり」。この記事では時事英語学習に相性の良いニュースメールマガジンを紹介します。

ニュースメールマガジンを英語学習に利用するメリットは以下のとおりです。

  • 無料のマガジンがたくさんある
  • 毎日、または平日など、定期的に届くので、読む習慣になる
  • 全部読んでも10分程度で読み切れるので手軽。
  • ニュースがコンパクトにまとめられていて、表現も比較的わかりやすい。

Quartz Daily Brief

Quartzはニューヨークを拠点に編集されている、ビジネス・経済系中心のニュースサイトです。Quartzが平日に発行するメールマガジン「Quartz Daily Brief」は、6本前後のニュースをそれぞれ数行でコンパクトに紹介する「HERE’S WHAT YOU NEED TO KNOW」は短時間で世界の動きを知ることができます。「WHAT TO WATCH FOR」では、注目ニュースを1本取り上げて詳しく伝えますが、それでも2〜3段落程度。さっと読める体裁となっていて、初心者にもおすすめです。

Quartz Daily Brief

Vox Sentences

「Vox Sentences」はワシントンを拠点に編集されているニュースメールマガジン。「The news, but shorter. 」というコンセプトの通り、こちらも日々のニュースを読みやすい文量にまとめています。こちらも平日配信です。「TOP NEWS」は国際情勢やアメリカ国内ニュースから2本紹介します。記事は箇条書きとなっており、さらに詳しく知りたい人に向けて、様々なニュースサイトへリンクを張っています。

Vox Sentences

The New York Times Morining Briefing

文章量多めの中級編となりますが、「The New York Times」が発行する「Morning Briefing」も世界の動きを把握するのに適しています。主要ニュース3つほどは比較的長めの文章で紹介、その他国際ニュース等は箇条書きの短い文章で掲載されています。

Morning Briefing

オックスフォード辞典が選ぶ「今年の英単語」2015

早いもので今年も残すところあと1カ月あまり。毎年この時期にオックスフォード辞典「Word of the Year」が発表されます。2015年はどんな言葉が選ばれたのでしょうか?

2015年のWord of the Yearは😂

なんと今年の言葉は絵文字でした。オックスフォード辞典としても、絵文字を今年の言葉に選ぶのは初めてということです。携帯電話でのコミュニケーションで多用する絵文字は日本発祥で、英語でもemojiと呼ばれています。オックスフォード辞典では、今年世界でどの絵文字が最も使われているかを調べたところ、😂(嬉し涙)がトップに。使われた絵文字全体のうち、😂が占める割合がイギリスで20%、アメリカでも17%に上るということです。

ちなみに、世界でも絵文字が使われるようになったのは、国際的な文字コード体型である「ユニコード」に絵文字も収録されるようになったから。これにより、日本の携帯電話以外でもパソコンやスマートフォンでも絵文字を扱えるものが急速に広まりました。日本で使われてた絵文字をそのまま収録したものもあり、👺や🈯️など、日本人以外が使うのかな…というものも含まれています。

それでは、ノミネートされながら惜しくも落選となった言葉もご紹介します。

これらの流行語の発表前までに、RNN時事英語辞典はどれくらいの言葉を先に載せていたかを毎年検証しておりますが、今回は3勝6敗でした。

収録済みだったのは「Brexit」、「refugee」、「sharing economy」の3つ。昨年宣言した打率3割を達成いたしました。「ad blocker」は我々インターネット業界では話題になりましたので、収録していてもよかったようなものですが、見逃したようです。

来年も打率3割を目標に精進してまいります。

前方が透けて見えるトレーラー

もし自分の車の前を走るのが巨大なトレーラーだったら、前方がまったく見通せず慎重な運転になります。当然、トレーラーを追い抜こうとするのはリスク大です。

ところがこのトレーラーが前を走っていれば、ドライバーの不安は少し減るかもしれません。

韓国サムスンが実験したこのトレーラーは、前方にカメラを付けて走っており、その映像を荷台の後部に投影しながら走ってくれるため、後続のドライバーの見通しもよくなります。あたかもトレーラーが透けているかのように見えます。

大胆な発想ですね。

アメリカのテレビ局ABC NEWSのWebサイトを取り上げました。240語。

人のDNAデータから作った似顔絵は似ている??

dnaface

米ペンシルベニア州立大学の教授が開発した、DNAデータから似顔絵を作る技術を使って、ニューヨーク・タイムズの記者が面白い実験を行いました。

「この方法で同僚の似顔絵を作ったら、どれくらいの人が本人を言い当てられるのだろうか。」

まず、記者は社内で似顔絵を作るためのDNAデータを提供してくれたボランティアの同僚2人の似顔絵作成を、その教授に依頼。その際、名前や身長、体重、年齢といった情報は伏せておきました。

そして出来上がった似顔絵を、ほかの社員に見てもらい、一体何人が似顔絵の元となった人物を言い当てることができるのか、実験しました。

その結果はいかに…。続きはニューヨーク・タイムズの記事をお読み下さい。

老後はエクアドルで過ごすのはいかが?

「定年退職後は海外で過ごす」といった夢をお持ちの方は必見。「インターナショナル・リビング」が気候や医療、生活費などを指数化して、老後生活を送りやすい国のランキングを発表した。

それによると、1位になったのは南米のエクアドル。最近価格が若干上がってはいるが、お気に入りの住まいを見つけやすいという。さらに65歳以上は飛行機、公共交通、映画、スポーツイベントなどが割引になる。生活費の低さも際立っている。医者の診察を受けても1回10ドル程度、レストランでは2.5ドルほどで食事ができる。家賃含めても1400ドルあれば夫婦で暮らしていくのに十分だ。

アジアではマレーシアが第4位にランクインした。低コストでぜいたくな生活が可能という。例えば、プール付き148平米の部屋の家賃が月850ドルとお手頃だ。また、平均約27度という気温も過ごしやすい。

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2014年「My単語カード」登録件数ランキング

2014年にRNN時事英語辞典の「My単語カード」に登録された件数の多い言葉のランキングです。

スマホのカメラで網膜検査ができる画期的ツール

歩数計として運動管理に使ったり、タクシーを自分のいる場所ピンポイントに呼んだりと、スマートフォンを使えば今やたいていのことは出来てしまう時代ですが、スマートフォンのカメラに専用のアダプターを取り付けることで、これを網膜検査器として使おうという試みがあります。

(Co.Exist : This Clever Device Turns Phones Into Sophisticated Eye Exam Machines)

安価に検査機器を導入できるとあって、発展途上国などで目の検査が容易になり、糖尿病による失明やマラリアが原因の昏睡状態を、網膜を検査することによって未然に防ぐことが期待されています。

開発に必要な11万ドル(約1320万円)をクラウドファンディングのしくみを使って募集しています。

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日本の流行語大賞、2014年は「No way. No, no」

今年の世相を反映した言葉を選ぶ「2014ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識」選)が発表され、年間大賞には、安倍内閣が行使を認めた「集団的自衛権」と、お笑いコンビ「日本エレキテル連合」の「ダメよ〜ダメダメ」のが選ばれました。

nippon.com」がノミネートされた50語を英語で紹介しています。

これによると、集団的自衛権は「right to collective self-defense」(RNN時事英語辞典では「right of collective self-defense」で収録)、ダメよ〜ダメダメは「No way. No, no」と翻訳。

ほかにも、「ありのままで」や「壁ドン」、「号泣会見」、「タモロス」などが英語で紹介されています。

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オックスフォード辞典が選ぶ「今年の英単語」

毎年恒例のオックスフォード辞典「Word of the Year」が発表されました。2014年はどのような言葉が選ばれたのでしょうか?

2014年のWord of the Yearは「vape」

2014年のWord of the Yearは「vape」が選ばれ、電子たばこから出る香りやニコチンを含んだ水蒸気を吸い込み吐き出すという意味の動詞で、「vapour (vapor、水蒸気)」や「vaporize(気化させる)」を短縮させた言い方だそうです。

イギリスに最初の「vape café」がオープンしたり、屋内で電子たばこを吸うことに対して、ニューヨークで抗議活動が起こったといったニュースが伝えられた2014年4月ごろ、この言葉がよく使われたとのことです。

動詞のほか名詞としても使え、電子たばこを吸うこと、もしくは電子たばこそのものを指します。

みなさんの周りでも電子たばこを愛用している方、いらっしゃいますか?全世界で3000億円規模の市場になるまで成長してきているようです。

それでは、ノミネートされながら惜しくも落選となった言葉もご紹介します。

  • vape
    電子たばこを吸うこと

  • bae
    恋人への愛情を示す言葉

  • budtender
    大麻販売店の店員

  • contactless
    (形容詞)非接触の

  • indyref (independence referendum)
    独立の是非を問う住民投票

  • normcore
    ノームコア ■ごく普通の服でシンプルにおしゃれを楽しむこと

  • slacktivism
    スラックティビズム ■労力やコストを負わずに、社会運動のようなことをする行為

これらの流行語の発表前までに、RNN時事英語辞典はどれくらいの言葉を先に載せていたかを毎年検証しておりますが、今回は1勝6敗でした。

「indyref」を辞書に収録していましたが、正確に言うと載せていたのは省略前の「independence referendum」で、今回流行語にノミネートされた「indyref」までは載せておりませんでした…

来年も打率3割を目標に精進してまいります。