毎年11月を過ぎると、英米の辞書出版社などが「Word of the Year」を発表します。ちょうど日本の「流行語大賞」のようなもので、その年によく使われた言葉が選定されます。
11月28日には米Merriam-Websterが「Word of the Year」を発表しました。
Merriam-Websterが運営するオンライン辞書で、検索された回数が昨年比で1740%増加した”gaslighting“が選ばれました。
“gaslighting“は「自分の利益のために、誰かに誤ったことを信じ込ませること」の意味。
- gaslighting 自分の利益のために、誰かに誤ったことを信じ込ませること
もともとは1938年に発表された演劇のタイトルで、夫が自分の家の明かりに細工をしておき、意図的にだんだんと暗くしていきます。妻が「暗い」と訴えますが、夫は「暗くない」と言い、妻はとうとう自分の認識を信じられなくなってしまうというストーリーです。
フェイクニュースやディープフェイクが氾濫し何を信じたらよいのか迷う時代に関心を集めた言葉と言えます。
そのほか、下記の言葉も2022年の言葉としてピックアップされています。
- oligarch 寡頭政治の支配者、政治的影響力のある新興財閥、オリガルヒロシア、ウクライナなど
- Omicron variant オミクロン株南アフリカで初めて確認された新型コロナウイルス変異株
- codify (動詞)成文化する
- LGBTQIA LGBTQIA性的マイノリティの総称のひとつ。lesbian, gay, bisexual, transgender, queer/questioning, intersex, and asexual/aromantic/agenderの頭文字
- sentient (形容詞)感情を持つ
- loamy (形容詞)ローム質の土壌
- raid 警察による捜査、ガサ入れ
- Queen Consort 王妃
注1: Merriam-Webster選出は「Omicron」だが、上記リストは当辞典収録済みデータの「Omicron variant」を表示
注2: oligarch、Omicron、Queen ConsortはWord of the Year発表前にRNN時事英語辞典に収録済み。